专利摘要:
所望の特性(例えば、抗菌特性及び/又は増大した表面親水性)を有するヒドロゲルコンタクトレンズの費用効果的な製造方法である。本方法は、乾燥した又は水和していないヒドロゲルコンタクトレンズを銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤を含有する水溶液(又は水和溶液)に接触させる工程を含む。本発明の方法を用いることにより、得られたヒドロゲルコンタクトレンズは、抗菌性能及び/又は向上したレンズ装着者の快適さを有することができる。
公开号:JP2011513767A
申请号:JP2009551793
申请日:2008-08-21
公开日:2011-04-28
发明作者:チュ,ユンシン;フォークト,ユルゲン;ラリー,ジョン・マーチン
申请人:ノバルティス アーゲー;
IPC主号:B29D11-00
专利说明:

[0001] 本発明は、概要として、ヒドロゲルコンタクトレンズ、特に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに、1つ以上の望ましい特性、例えば、抗菌特性及び/又は潤滑性を付与する方法に関する。さらに、本発明は、本発明の方法に従って製造されたヒドロゲルコンタクトレンズを提供する。]
背景技術

[0002] 現在、コンタクトレンズ業界では、角膜の健康への悪影響が最小限であり、装着者の快適さを有するコンタクトレンズ製造技術の開発のために、これまで以上の努力が注がれている。]
[0003] 角膜の健康の側面において活発な領域の1つは、抗菌性コンタクトレンズを開発することである。これは、コンタクトレンズの装用、保存、取り扱いの間に、1種以上の微生物が、眼の表面上に付着/増殖し、コロニーを形成し、それによってレンズを使用している目に、感染症又はその他の眼の健康への悪影響を引き起こす場合があるためである。様々な試みが提案されてきている、例えば、Chalkley et al.の Am. J. Ophthalmology 1966, 61:866-869(殺菌剤が組み込まれたコンタクトレンズ)の発表;米国特許第4,472,327号(重合に先立ちモノマーに添加することができ、レンズのポリマー構造に閉じ込められてよい抗菌剤を有するコンタクトレンズ);米国特許第5,358,688号及び5,536,861号及び欧州特許出願第EP0604369号(オルガノシリコーンポリマー含有第四級アンモニウム基を含有するコンタクトレンズ);欧州特許出願第EP0947856A2号(第四級ホスホニウム基含有ポリマーを含有するコンタクトレンズ);米国特許第5,515,117号(ポリマー材料及び抗菌性化合物を含むコンタクトレンズ);米国特許第5,213,801号(Ag、Cu及びZnから選択される少なくとも1種の金属を含有する抗菌性セラミックを含むコンタクトレンズ);米国特許第5,328、954号(様々な抗菌剤からなるコーティングを有するコンタクトレンズ);共有の同時係属米国特許出願公開第2005/0013842A1号(連続装用コンタクトレンズに組み込まれ、コンタクトレンズに長期間にわたり有効な抗菌性能を付与する銀ナノ粒子);同時係属米国特許出願第2005/0058844A1及び第2005/0008676A1号(抗菌性LbLコーティングを有するコンタクトレンズ)等がなされてきた。このような努力にも関わらず、長期間にわたって抗菌活性を示す市販のコンタクトレンズ、特に連続装用コンタクトレンズはない。したがって、抗菌性ヒドロゲルコンタクトレンズ製造方法の必要性が依然として存在する。]
[0004] レンズ装着者の快適さを向上させるための様々な試みが提案されてきたが、レンズ装着者に快適さを提供できるヒドロゲルコンタクトレンズの費用効果的で簡単な製造方法の必要性が依然として存在する。]
[0005] 本発明は、1つの態様において、ヒドロゲルコンタクトレンズに1つ以上の所望の特性を付与する方法を提供するが、その発明の方法は、乾燥したヒドロゲルコンタクトレンズを水和溶液中で水和する工程を含み、水和溶液は、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤又は湿潤剤は、乾燥ヒドロゲルコンタクトレンズが水和溶液中で水和される間に、ヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着及び/又はその中に閉じ込められる。]
[0006] 本発明は、もう1つの態様において、ヒドロゲルコンタクトレンズ製造方法を提供するが、その発明の方法は、レンズ形成配合物を重合してヒドロゲルコンタクトレンズを形成する工程;場合により、重合していないレンズ形成配合物中の重合性成分を有機溶媒を用いて抽出する工程;場合により、重合したヒドロゲルコンタクトレンズ(抽出工程に付したもの)を、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含有する第1の水溶液と接触させて、ヒドロゲルコンタクトレンズ中に閉じ込められた有機溶媒を水と置き換える工程;及び重合したヒドロゲルコンタクトレンズを、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含有する第2の水溶液中で水和する工程を含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤が、抽出工程及び及び/又は水和工程の間に、ヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着及び/又はその中に閉じ込められるヒドロゲルコンタクトレンズ製造方法である。]
[0007] 本発明は、さらなる態様において、ヒドロゲルコンタクトレンズを提供する。本発明のコンタクトレンズは、(1)コアヒドロゲル材料及び(2)銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤を含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤は、コアヒドロゲル材料を、(a)銀イオン、銀ナノ粒子、もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む水和溶液中で水和することにより、コアヒドロゲル材料に吸着及び/又はコアヒドロゲル材料中に閉じ込められる。]
[0008] 発明の実施態様の詳細な説明
ここで、本発明の実施態様を詳細に述べる。本発明の範囲及び概念を逸脱することがない限り、本発明において、様々な変更及び変形が可能であることは、当業者に自明であろう。例えば、1つの実施態様の一部として例示又は説明する特徴を、別の実施態様に使用することにより、さらに別の実施態様を生み出すことができる。このように、本発明は、添付の特許請求の範囲に含まれることになる変更及び変形並びにそれらの均等物を包含することを意図する。本発明の他の目的、特徴および態様は以下の詳細な説明に開示されるか、又は、そこから明らかである。本記述は、例示的な実施態様の説明に過ぎず、本発明のより広い態様を限定することを意図しないことが当業者に理解されよう。]
[0009] 他に定義されない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野における当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書で用いる命名法及び実験方法は、当技術分野において周知であり、通常使用されている。これらの手順には、当技術分野において及び様々な一般文献に記載されるような従来の方法が使用される。用語が単数で記載されている場合、発明者らは、その用語の複数も想定している。本明細書で用いる命名法及び後述する実験方法は、当分野で周知であり、通常使用されているものである。]
[0010] 「コンタクトレンズ」は、装着者の眼の上又は眼内に置くことができる構造物を意味す。コンタクトレンズは、使用者の視力を矯正、改善、又は変えることができるが、そうである必要はない。コンタクトレンズは、当技術分野において公知の又は後に開発される任意の適切な材料から作ることができ、ソフトレンズでも、ハードレンズでも、又はハイブリッドレンズでもよい。「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」は、シリコーンヒドロゲル材料を含むコンタクトレンズを意味する。]
[0011] 「ヒドロゲル」又は「ヒドロゲル材料」は、十分水和させた場合、少なくとも10重量パーセントの水を吸収することができるポリマー材料を意味する。]
[0012] 「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つのシリコーン含有モノマー又は少なくとも1つのシリコーン含有マクロマー又は少なくとも1つの架橋性のシリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物を共重合することによって得られるシリコーン含有ヒドロゲルを意味する。]
[0013] 本明細書で用いる「親水性」とは、脂質とよりも水と容易に会合する材料又はその一部を表す。]
[0014] 「モノマー」は、化学線照射又は熱により重合されることができる低分子量化合物を意味する。低分子量とは、通常、700ダルトン未満の平均分子量を意味する。本発明によれば、モノマーは、ビニルモノマー又は2つのチオール基を含む化合物であることができる。2つのチオール基を有する化合物は、ビニル基を有するモノマーとのチオール−エン逐次ラジカル重合に関与し、ポリマーを形成することができる。参照により全文が本明細書に組み込まれる、2006年12月13日出願の、共有の同時係属米国特許出願第60/869,812号(発明の名称「光誘起逐次重合に基づく眼用デバイスの製造」)に記載のとおり、逐次ラジカル重合をコンタクトレンズの製造に使用することができる。]
[0015] 本明細書で用いる「ビニルモノマー」は、エチレン性不飽和基を有し、化学線照射又は熱により重合されることができる低分子量の化合物を意味する。低分子量とは、通常、700ダルトン未満の平均分子量を意味する。]
[0016] 用語「オレフィン性不飽和基」又は「エチレン性不飽和基」は、本明細書で広義に使用し、少なくとも1つの>C=C<基を含有するあらゆる基を包含することを意図している。エチレン性不飽和基の例は、アクリロイル、メタクリロイル、アリル、ビニル、スチレニル、又は他のC=C含有基を含むが、これらに限定されない。]
[0017] 重合性組成物もしくは材料を硬化又は重合することに関して本明細書で用いる「化学線照射により」とは、硬化(例えば、架橋及び/又は重合)を、例えば、UV照射、電離放射線(例えば、ガンマ線又はX線照射)、マイクロ波照射等のような化学線照射によって行うことを意味する。熱硬化又は化学線硬化の方法は、当業者に周知である。]
[0018] 「親水性モノマー」は、化学線照射又は熱により重合化されて、水溶性であるか又は少なくとも10重量パーセントの水を吸収することができるポリマーを形成することができるモノマーを意味する。]
[0019] 本明細書で用いる「疎水性モノマー」は、化学線照射又は熱により重合して、水に不溶性であり、10重量パーセント未満の水を吸収することができるポリマーを形成するビニルモノマーを意味する。]
[0020] 「マクロマー」は、化学線照射もしくは熱により重合及び/又は架橋することができる、中分子量及び高分子量の化合物を意味する。中分子量及び高分子量とは、通常、700ダルトンより大きい平均分子量を意味する。本発明によれば、マクロマーは、フリーラジカル連鎖成長重合又はチオール−エン逐次ラジカル重合に関与することができる1つ以上のエチレン性不飽和基及び/又は1つ以上のチオール基を含む。好ましくは、マクロマーは、エチレン性不飽和基を含有し、化学線照射又は熱により重合することができる。]
[0021] 「プレポリマー」は、架橋性の基を含有し、化学線照射で又は熱的により硬化(例えば、架橋及び/又は重合)して、出発ポリマーよりもはるかに大きい分子量を有する架橋及び/又は重合したポリマーを得ることができる出発ポリマーを意味する。本発明によれば、プレポリマーは、フリーラジカル連鎖成長重合又はチオール−エン逐次ラジカル重合に関与することができる1つ以上のエチレン性不飽和基及び/又は1つ以上のチオール基を含む。]
[0022] 「シリコーン含有プレポリマー」は、シリコーンを含有し、化学線照射又は熱により架橋して、出発ポリマーよりもはるかに大きい分子量を有する架橋されたポリマーを得ることができるプレポリマーを意味する。]
[0023] 本明細書で用いる、ポリマー材料(モノマー又はマクロマーの材料を含む)の「分子量」は、他に具体的な記載がなければ、又は試験条件がそうでないことを示していなければ、数平均分子量を意味する。]
[0024] 「ポリマー」は、1つ以上のモノマーを重合/架橋することにより形成される材料を意味する。]
[0025] 「開始剤」は、フリーラジカル反応を開始する化学物質を表すことを意図し、光開始剤又は熱開始剤であることができる。]
[0026] 「光開始剤」は、光の使用により、ラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を意味する。適切な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、Darocure(登録商標)タイプ、及びIrgacure(登録商標)タイプ、好ましくはDarocure(登録商標)1173、及びIrgacure(登録商標)2959を含むがこれらに限定されない。]
[0027] 「熱開始剤」は、熱エネルギーの使用により、ラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を意味する。適切な熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、ベンゾイルペルオキシドのような過酸化物等を含むがこれらに限定されない。好ましくは、熱開始剤は、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)である。]
[0028] 「化学線照射の空間的制限」は、光線の形態でのエネルギー放射が、明確な周辺境界線を有する領域に、空間的に制限された方法で(例えば、マスク又はスクリーン又はそれらの組み合わせの手段による)導かれて作用する動き又はプロセスを意味する。例えば、紫外線照射の空間的制限は、(全文が参照により本明細書に組み込まれる)米国特許第6,627,124号の図1−9に概略的に示されるように、紫外線不透過領域(マスクされた領域)に囲まれた、透明又は開口された領域(マスクされていない領域)を有するマスク又はスクリーンを使用することにより達成することができる。マスクされていない領域は、マスクされている領域と明確な周辺境界線を有する。架橋に使用されるエネルギーは、放射線エネルギー、特に紫外線放射、ガンマ線放射、電子線放射又は熱放射であり、放射線エネルギーは好ましくは、一方では良好な制限及び他方ではエネルギーの効率的利用を達成するために、実質的に平行な光線の形態である。]
[0029] レンズに関して「視認性のためのティント」は、使用者が、レンズ保管、殺菌又は洗浄用の容器内の透明な溶液中のレンズの在り処を容易に確認できるようにするための、レンズの染色(又は着色)を意味する。レンズの視認性のためのティントに、染料及び/又は顔料を使用することができることは、当分野において周知である。]
[0030] 「染料」とは、溶媒に可溶性であり、色を付与するのに使用される物質を意味する。染料は、通常半透明であり、光を吸収するが散乱させない。本発明において、任意の適切な生体適合性の染料を使用することができる。]
[0031] 「顔料」とは、それが不溶である液体に懸濁された粉末物質を意味する。顔料は、蛍光顔料、リン光性顔料、真珠光沢顔料、又は従来の顔料であることができる。任意の適切な顔料を使用してよいが、顔料が、耐熱性、無毒性及び水溶液に不溶性であることが現在のところ好ましい。]
[0032] 本明細書で用いる「表面改質」とは、物品が、表面処理プロセス(又は表面改質プロセス)において処理されたことを意味し、その処理において、蒸気もしくは液体との接触、及び/又はエネルギー源の適用によって、(1)物品の表面にコーティングが施される、(2)物品の表面に化学種が吸着される、(3)物品の表面の化学基の化学的性質(例えば、帯電性)が変更される、又は(4)物品の表面特性がその他の方法により改質されることを意味する。表面処理プロセスの例は、エネルギー(例えば、プラズマ、静電気、放射線照射、又はその他のエネルギー源)による表面処理、化学処理、親水性モノマー又はマクロマーの物品表面へのグラフト、及びポリマー材料の一層ずつ(LbL)の付着を含むが、これらに限定されない。表面処理プロセスの好ましい種類は、イオン化したガスを物品表面に適用するプラズマプロセスである。プラズマガス及び処理条件は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,312,575号及び第4,632,844号においてより十分に記載されている。プラズマガスは、好ましくは、低級アルカンと、窒素、酸素又は不活性ガスとの混合物である。]
[0033] 本明細書で用いる「LbLコーティング」は、コンタクトレンズ又は型半に共有結合せず、レンズ又は型半上にポリイオン性(又は帯電した)及び/又は非帯電の材料を一層ずつ(「LbL」)堆積することにより得られるコーティングを意味する。LbLコーティングは、1つ以上の層で、好ましくは、1つ以上の二重層で構成することができる。コンタクトレンズ又は型半上のLbLコーティングの形成は、数多くの方法で行うことができ、例えば(全文が参照により本明細書に組み込まれる)米国特許第6,451,871号、第6,719,929号、第6,793,973号、第6,811,805号及び6,896,926号に記載されている。]
[0034] 「平均接触角」は、少なくとも個別の3個のコンタクトレンズの測定値を平均することにより得られる水接触角(Sessile Drop法で測定)を意味する。]
[0035] 水和したコンタクトレンズに関して本明細書で用いる「増大した表面親水性」又は「増大した親水性」とは、乾燥したコンタクトレンズ又は水和していないコンタクトレンズを本発明の水和溶液中で水和することにより得られる水和したコンタクトレンズが、乾燥したコンタクトレンズ又は水和していないコンタクトレンズを水又は緩衝生理食塩水中で水和することにより得られる対照コンタクトレンズと比べて、小さくなった平均接触角を有することを意味する(ここで、水和したコンタクトレンズと対照コンタクトレンズは共に、同じコア材料で作成されている)。]
[0036] 本明細書で用いる「抗菌性コンタクトレンズ」は、生存微生物の少なくとも5倍削減(380%抑制)、好ましくは、少なくとも1−logの削減(390%抑制)、より好ましくは、少なくとも2−logの削減(399%抑制)を示すコンタクトレンズを意味する。]
[0037] 本明細書で用いる「抗菌剤」は、当分野で公知のように、微生物の増殖を低減するか除去するか又は抑制することができる化学物質を意味する。]
[0038] 「Agナノ粒子」は、本質的に銀金属で作られ、粒径約1ミクロメーター以下の粒子を意味する。ナノ粒子中の銀は、Ag0、Ag1+及びAg2+のように、その1つ以上の酸化状態において存在することができる。Agナノ粒子は、流体組成物中で凝集し、粒径分析器(例えば、Horiba LA-920粒径分析器)で、その超音波処理機能を作動させずに、分析した場合、Agナノ粒子の見掛けの大きさが、数ミクロメーターであろうことがと理解される。]
[0039] 「安定化Agナノ粒子」は、安定剤の存在下で形成され、安定剤により安定化されたAgナノ粒子を意味する。安定化Agナノ粒子は、Agナノ粒子を調製するための溶液に存在し、得られたAgナノ粒子を安定化させることができる材料(又はいわゆる安定剤)に大きく依存し、正荷電又は負荷電のいずれか又は電気的に中性であることができる。安定剤は、任意の公知の適切な材料であることができる。安定剤の例は、正荷電ポリイオン性材料、負荷電ポリイオン性材料、ポリマー、界面活性剤、サリチル酸、アルコール等を含むが、これらに限定されない。]
[0040] Agナノ粒子の「インサイチュ」形成は、Agナノ粒子が、眼用デバイス、特にヒドロゲルコンタクトレンズ水和用の水和溶液中で直接形成され、形成されたAgナノ粒子のさらなる精製及び分離を伴うプロセスを意味する。Agナノ粒子の形成は、紫外分光法によって、吸収ピークが波長約460nm以下であること(Agナノ粒子の特徴)により確認することができる。]
[0041] 「塩化物で処理したAgナノ粒子」は、Agナノ粒子が分散体中で形成された後で、その形成されたAgナノ粒子を含有する分散体に塩化物を加え、未処理のAgナノ粒子の特徴的な黄色を帯びた色を実質的に削減するプロセスに従って得られたAgナノ粒子を意味する。]
[0042] 「凍結乾燥」は、溶媒が、実質的に除去される凍結乾燥プロセスを意味する。]
[0043] 「水和されていない」ヒドロゲルコンタクトレンズは、レンズが形成されたレンズ形成配合物の溶媒を依然含有するか、又は、溶媒(典型的には、水溶性又は混和性の有機溶媒又は水と有機溶媒との混合物)を用いて、重合されていない重合性成分をレンズから除去する抽出プロセスに付されたヒドロゲルコンタクトレンズのいずれかを意味する。]
[0044] 本発明は、概要として、所望の特性、例えば、抗菌特性及び/又は向上したレンズ装着者の快適さを有するヒドロゲルコンタクトレンズの簡単で及び費用効果的な製造方法に関する。本発明は、一部には、乾燥した又は水和されていないヒドロゲルコンタクトレンズを、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤を含有する水溶液(又は水和溶液)と単に接触させるだけで、抗菌特性及び/又は向上したレンズ装着者の快適さを有するヒドロゲルコンタクトレンズを製造することができるという発見に基づいている。]
[0045] 発明者らは、如何なる特定の理論にも拘束されることを望まないが、乾燥した又は水和されていないヒドロゲルコンタクトレンズを、銀ナノ粒子並びに/又は潤滑剤及び/もしくは湿潤剤を含有する水溶液(又は水和溶液)で水和した場合、銀ナノ粒子及び潤滑剤もしくは湿潤剤がヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着してコーティングを形成することができる、及び/又は、ヒドロゲルコンタクトレンズのポリマーマトリックスに吸着し/閉じ込められて、長時間かけて徐々に浸出(放出)可能な浸出性(放出性)潤滑剤もしくは湿潤剤となることができると考えられている。]
[0046] 従来のキャスト成形技術によりキャスト成形されるヒドロゲルコンタクトレンズのほとんどは、抽出又は水和のいずれか又は両方を必要とする。例えば、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造プロセス、Focus(登録商標)Night & Day(商標)及びO2OPTIX(商標)(CIBA Vision製)は、とりわけ、シリコーンヒドロゲルレンズの表面に親水性及び湿潤性を与えるためにプラズマ処理を必要とする。プラズマコーティングプロセスは、通常、レンズをプラズマ処理に付す前に、レンズを乾燥させる必要がある。プラズマ処理したレンズは次に、パッケージする前に水和する必要がある。銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤を水和溶液に組み込むことにより、1つの簡単なプロセスで3つの目的:レンズを水和すること、レンズに抗菌特性を付与すること、及びレンズの潤滑性及び湿潤性を増大させることを達成することができる。シリコーンヒドロゲルレンズがプラズマコーティングを有する場合、銀ナノ粒子及び潤滑剤又は湿潤剤が、プラズマコーティングに吸着し、レンズに抗菌特性及び増大した潤滑性及び湿潤性を付与しうると考えられている。さらに別の工程を行う必要はない。]
[0047] 本発明のプロセスを用いることにより、銀ナノ粒子及び潤滑剤/湿潤剤を、ヒドロゲルコンタクトレンズ上及び/又はヒドロゲルコンタクトレンズ中に組み込むことができ、レンズの所望のバルク特性、例えば、酸素透過性、イオン又は水の透過性に著しい悪影響を与えることなく、抗菌性能及び向上した快適さを付与することができる。銀ナノ粒子は、銀イオンを周囲の流体(例えば、涙)に徐々に放出し、コンタクトレンズに抗菌特性を付与することができる。コンタクトレンズの表面に吸着した及びレンズに閉じ込められた潤滑剤もしくは湿潤剤は、徐々に放出され、コンタクトレンズに増大した潤滑性及び湿潤性を付与することができ(増大した表面親水性により特徴づけられる)、それにより、装着者の快適さを向上させることができる。さらに、コンタクトレンズ表面上及びレンズ中の潤滑剤もしくは湿潤剤は、放出速度が異なる場合があり、異なる時間スケールで放出されることができる。銀ナノ粒子が潤滑剤もしくは湿潤剤により安定化される場合、安定化した銀ナノ粒子は、銀イオンのみならず潤滑剤もしくは湿潤剤をも長時間にわたり徐々に放出し、持続性の抗菌特性及びレンズ装着者の快適さを提供することができる。]
[0048] 本発明は、1つの態様において、ヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供するが、その発明の方法は、乾燥したヒドロゲルコンタクトレンズを水和溶液中で水和する工程を含み、水和溶液は、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤又は湿潤剤は、乾燥ヒドロゲルコンタクトレンズが水和溶液中で水和される間に、ヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着及び/又はレンズ中に閉じ込められる。]
[0049] 任意の公知の適切な方法をAgナノ粒子の調製に使用することができる。例えば、銀イオン又は銀塩は、溶液中、安定剤の存在下で、還元剤(例えば、NaBH4、アスコルビン酸、クエン酸等)により、又は加熱もしくはUV照射により還元し、Agナノ粒子を形成することができる。当業者は、Agナノ粒子を調製するための適切な公知の方法をどのように選択すべきかが分かるであろう。Agナノ粒子を凍結乾燥(フリーズドライ)させ、次に、水和溶液中に再分散させることができることが理解されよう。]
[0050] 任意の公知の適切な可溶性の銀塩を本発明に使用できる。好ましくは、硝酸銀を使用する。]
[0051] Agナノ粒子を水和溶液(例えば、更なる精製工程なしで)中でインサイチュ調製する場合、好ましくは生体適合性の還元剤を使用する。生体適合性還元剤の例は、アスコルビン酸及びその生体適合性の塩、及びクエン酸の生体適合性の塩を含むがこれらに限定されない。]
[0052] 好ましくは、Agナノ粒子は、安定化されたAgナノ粒子を得るために、1つ以上の安定剤の存在下で調製される。「安定剤」は、ナノ粒子調製用の溶液中に存在し、得られたナノ粒子を安定化させることができる材料を意味する。水和溶液中に存在する少量の安定剤が、水和する分散体の安定性を大幅に改善することができる。本発明によれば、安定剤は、ポリアニオン材料、ポリカチオン材料、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)又はn−ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマーであることができる。]
[0053] 本発明で使用されるポリカチオン性材料は、通常、ポリマー鎖に沿って複数の正荷電基を有するように、当分野で公知の任意の材料を含むことができる。例えば、このようなポリカチオン性材料の適切な例は、ポリ(アリルアミン塩酸塩)(PAH)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ビニルピロリドンと1つ以上の、第四級アンモニウム基を有するビニルモノマーとのコポリマー(例えば、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)コポリマー)、ポリ(ピリジニウムアセチレン)、及びポリ(ビニルベンジルトリメチルアミン)(PVBT)を含むことができるがこれらに限定されない。]
[0054] 本発明で使用されるポリアニオン性材料は、通常、ポリマー鎖に沿って複数の負荷電基を有するように、当分野で公知の任意の材料を含むことができる。例えば、適切なポリアニオン材料は、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリアクリル酸(PAA)、アクリル酸と1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、メタクリル酸と1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSS)、ナトリウムポリ(スチレンスルホナート)(SPS)及びポリ(ナトリウムスチレンスルホナート)(PSSS)を含むことができるが、これらに限定されない。]
[0055] 前述のリストは、例示的なものであることを意図しており、明らかに網羅的なものではない。当業者は、本明細書の開示及び教示に鑑み、合成ポリマー、バイオポリマーまたは改質バイオポリマーを含む多くの他の有用なポリイオン材料を選択することが可能であろう。]
[0056] 好ましい安定剤は、ポリアクリル酸(PAA)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、アクリル酸と1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、アクリル酸/ビニルピロリドンコポリマー、メタクリル酸と1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、メタクリル酸/ビニルピロリドンコポリマー、ポリビニルピロリドン(分子量最大1,500,000の)、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー(分子量最大1,500,000)、アミノ基及び/又は硫黄含有基又はそれらの混合物を有するポリイオン材料である。]
[0057] 硫黄含有基の例は、チオール、スルホニル、スルホン酸、アルキルスルフィド、アルキルジスルフィド、置換又は非置換フェニルジスルフィド、チオフェニル、チオ尿素、チオエーテル、チアゾリル、チアゾリニル等を含むがそれらに限定されない。]
[0058] 水和溶液又は分散体中の安定剤の量は、1重量%未満、好ましくは、0.5重量%未満、より好ましくは、0.1重量%未満である。]
[0059] 安定剤が、−COOH含有ポリマー(例えば、PAA)、アミノ含有ポリカチオン性ポリマー、又は硫黄含有ポリイオン性ポリマーである場合、安定剤の濃度は、そのレベルの下で、銀イオンがAgナノ粒子に還元されうるレベルに設定すべきであることを指摘する必要がある。]
[0060] Agナノ粒子又は安定化されたAgナノ粒子を含有する水和溶液又は分散体は、好ましくは塩化物で処理する。このように簡単な塩化物処理で、遊離銀イオンを塩化銀に変換することができ、水和溶液中の銀ナノ粒子の特徴的な黄色を帯びた色を、最小限に又は除去することができる。]
[0061] 本発明によれば、「Agナノ粒子含有重合性分散体を塩化物で処理すること」は、塩化物イオンを水和溶液又は分散体に導入することを意味する。]
[0062] 1つの実施態様において、Agナノ粒子含有の水和溶液又は分散体を塩化物で処理することは、(1)固体形態のNaClのような塩化物塩を、分散体に直接添加する工程;(2)分散体中のAgナノ粒子の特徴的な黄色を帯びた色が実質的に削減されるのに十分な時間、混合物を完全に混合する工程によって行われる。]
[0063] 他の実施態様においては、塩化物の処理は、(1)Agナノ粒子含有の水和溶液又は分散体に、NaCl溶液又は塩酸塩を加える工程、及び(2)水和溶液又は分散体中のAgナノ粒子の特徴的な黄色を帯びた色が実質的に削減されるのに十分な時間、混合物を完全に混合する工程によって行うことができる。]
[0064] 潤滑剤の例は、非限定的に、ムチン様材料及び親水性ポリマーを含む。ムチン様材料の例は、非限定的に、ポリグリコール酸、ポリラクチド、コラーゲン、ヒアルロン酸、及びゼラチンを含む。]
[0065] 親水性ポリマーの例は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ビニルラクタムのホモポリマー、1つ以上の親水性のビニルコモノマーの存在下又は非存在下の少なくとも1つのビニルラクタムのコポリマー、アルキル化ポリビニルピロリドン、アクリルアミド又はメタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミド又はメタクリルアミドと1つ以上の親水性のビニルモノマーとのコポリマー、ポリエチレンオキシド(すなわち、ポリエチレングリコール(PEG))、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ 2−エチルオキサゾリン、ヘパリンポリサッカライド、ポリサッカライド、及びそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。]
[0066] N−ビニルラクタムの例は、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,4,5−トリメチル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、及びN−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタムを含む。]
[0067] 親水性ポリマーの数平均分子量Mnは、例えば、マトリックス形成材料のそれよりも、10,000を超えて大きく、又は20,000を超えて大きい。例えば、マトリックス形成材料が、平均分子量Mn12,000〜25,000を有する水溶性プレポリマーである場合、親水性ポリマーの平均分子量Mnは、例えば、25,000〜100000、30,000〜75,000、又は35,000〜70,000である。]
[0068] ポリビニルピロリドン(PVP)の例は、非限定的に、分子量グレードK−15、K−30、K−60、K−90、K−120等を特徴とするポリマーである。]
[0069] n−ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマーの例は、非限定的に、ビニルピロリドン/ビニルアセタートコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリラートコポリマー(例えば、ISP CorporationのCopolymer 845、Copolymer 937、Copolymer 958)、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタム/ジメチル−アミノエチルメタクリラートコポリマーである。]
[0070] アルキル化ピロリドンの例は、非限定的に、ISP CorporationのGANEX(登録商標)アルキル化ピロリドンのファミリーである。]
[0071] 好適な実施態様においては、水和溶液は、異なる分子量のポリビニルピロリドンの混合物を含む。異なる分子量(通常、K−値で特徴づけられる)を有することにより、PVPは、異なる時間スケールで放出されることができ、これにより、得られたコンタクトレンズに、長時間にわたり(例えば、少なくとも約6時間にわたり)時間制御されたPVPの放出を与える。このような実施態様において、水和溶液は、好ましくは、少なくとも1種の高分子量PVP(すなわち、60−K以上)及び少なくとも1種の低分子量PVP(すなわち、60−K未満)を含む。]
[0072] 別の好適な実施態様においては、水和溶液は、少なくとも1種のポリビニルピロリドン及び、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー少なくとも1種を含む。PVPとPVPコポリマーとの混合物を使用することにより、潤滑剤/湿潤剤の制御された放出特性を得ることができる。]
[0073] 別の好適な実施態様においては、水和溶液は、少なくとも1種のポリビニルピロリドン及び少なくとも1種のアルキル化ポリビニルピロリドンを含む。PVPとPVPコポリマーとの混合物を使用することにより、潤滑剤/湿潤剤の制御された放出特性を得ることができる。]
[0074] 適切なポリオキシエチレン誘導体は、例えば、n−アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル、n−アルキルポリオキシ−エチレンエーテル(例えば、TRITON(登録商標))、ポリグリコールエーテル界面活性剤(TERGITOL(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、TWEEN(登録商標))、ポリオキシエチラート化グリコールモノエーテル(例えば、BRIJ(登録商標)、ポリオキシルエチレン9ラウリルエーテル、ポリオキシルエチレン 10 エーテル、ポリオキシルエチレン 10トリデシルエーテル)、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーである。]
[0075] エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーの例は、非限定的に、ポロキサマー及びポロキサミンであり、これらは、例えば、PLURONIC(登録商標)、PLURONIC-R(登録商標)、TETRONIC(登録商標)、TETRONIC-R(登録商標)又はPLURADOT(登録商標)の商品名で入手可能である。ポロキサマーは、PEO−PPO−PEO(「PEO」は、ポリ(エチレンオキシド)であり、「PPO」は、ポリ(プロピレンオキシド)である)構造を有するトリブロックコポリマーである。]
[0076] 分子量とPEO/PPOの比だけが異なる相当な数のポロキサマーが公知である。ポロキサマーの例は、101、105、108、122、123、124、181、182、183、184、185、188、212、215、217、231、234、235、237、238、282、284、288、331、333、334、335、338、401、402、403及び407を含む。ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックの順序を逆にして、PPO−PEO−PPO構造のブロックコポリマーを作成することができるが、これは、PLURONIC-R(登録商標)ポリマーとして公知である。]
[0077] ポロキサミンは、(PEO−PPO)2−N−(CH2)2−N−(PPO−PEO)2構造を有するポリマーであり、様々な分子量及びPEO/PPO比で入手することができる。ここでも、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンブロックの順序を逆にして、(PPO−PEO)2−N−(CH2)2−N−(PEO−PPO)2構造のブロックコポリマーを作成することができるが、これは、TETRONIC-R(登録商標)ポリマーとして公知である。]
[0078] ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマーは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの繰返し単位のランダムな混合を含む親水性のブロックで設計することもできる。ブロックの親水性の性質を維持するためには、エチレンオキシドが優勢となろう。同様に、疎水性のブロックも、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの繰返し単位の混合物とすることができる。このようなブロックコポリマーは、商品名PLURADOT(登録商標)で入手可能である。]
[0079] 本発明によれば、乾燥したヒドロゲルコンタクトレンズを水和する工程は、好ましくは約10℃〜約95℃、より好ましくは約20℃〜約75℃、さらに好ましくは約40℃〜約70℃の温度で行われる。水和は、任意の公知の方法で行うことができる。例えば、水和は、コンタクトレンズを水和溶液又は分散体中に、約5分間〜約72時間の時間浸漬することにより実施することができる。]
[0080] 本発明によれば、水和溶液は、好ましくは、銀約100ppm〜約150000ppm、及び潤滑剤/湿潤剤約100ppm〜約150000を含む。]
[0081] 本発明によれば、ヒドロゲルコンタクトレンズは、ヒドロゲル材料、好ましくはシリコーンヒドロゲル材料を含むレンズである。レンズは、当業者に公知の任意の方法に従って調製することができる。好ましくは、レンズは、型内でヒドロゲルレンズ形成配合物を硬化することにより調製できる。「ヒドロゲルレンズ形成配合物」又は「ヒドロゲルレンズ形成材料」は、熱又は化学線照射により硬化して(すなわち、重合及び/又は架橋して)、架橋/重合されたポリマー材料を得ることができる重合性組成物を意味する。レンズ形成材料は、当業者に周知である。通常、レンズ形成材料は、重合性/架橋性の成分、例えば、モノマー、マクロマー、プレポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。レンズ形成材料は、さらに他の成分、例えば、開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)、視認性ティント剤、UV防止剤、光増感剤、抗菌剤(例えば、Agナノ粒子)、潤滑剤/湿潤剤(例えば、上述のもの)等を含むことができる。]
[0082] 本発明によれば、重合性流体組成物は、溶液又は溶媒を含まない液体又は60℃未満の溶融体であることができる。]
[0083] 本発明の好適な実施態様によれば、シリコーンヒドロゲルレンズ形成材料は、少なくとも1つのシリコーン含有のモノマー又はマクロマー又はプレポリマーを含むか、あるいは、任意のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ製造用レンズ配合物であることができる。シリコーンヒドロゲルレンズ配合物の例は、非限定的に、lotrafilcon A、lotrafilcon B、etafilcon A、genfilcon A、lenefilcon A、polymacon、acquafilcon A、balafilcon、senofilcon A等の配合物である。]
[0084] 重合性流体組成物が溶液である場合、少なくとも1つのシリコーン含有のモノマー、マクロマー又はプレポリマー及び他の所望の成分全てを、当業者に公知の任意の適切な溶剤に溶解することによって調製することができる。適切な溶媒の例は、水、低級アルカノールのようなアルコール、例えば、エタノール又はメタノール、さらに、カルボン酸アミド、例えば、ジメチルホルムアミド、双極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシド又はメチルエチルケトン、ケトン、例えばアセトン又はシクロヘキサノン、炭化水素、例えばトルエン、エーテル、例えばTHF、ジメトキシエタン又はジオキサン、及びハロゲン化炭化水素、例えばトリクロロエタン、並びに適切な溶媒の混合物、例えば水とアルコールとの混合物、例えば水/エタノール又は水/メタノール混合物である。]
[0085] 任意の公知の適切なシリコーン含有モノマーを本発明で使用することができる。本発明によれば、モノマーは、シリコーン含有ビニルモノマー又は2つのチオール基を有するモノマーであることができる。シリコーン含有モノマーの例は、非限定的に、メタクリロキシアルキルシロキサン、3−メタクリロキシプロピルペンタメチルジシロキサン、ビス(メタクリロキシプロピル)テトラメチル−ジシロキサン、モノメタクリラート化ポリジメチルシロキサン、メルカプト末端ポリジメチルシロキサン、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]メタクリルアミド、トリス(ペンタメチルジシロキサニル)−3−メタクリラートプロピルシラン(T2)、及びトリストリメチルシリルオキシシリルプロピルメタクリラート(TRIS)を含む。好ましいシロキサン含有モノマーは、TRISであり、これは、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランを意味し、CAS No.17096−07−0で表される。本明細書において、用語「TRIS」は、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのダイマーも含む。シリコーン含有モノマーは、1つ以上のヒドロキシル及び/又はアミノ基も含むことができる。]
[0086] 重合性分散体の重合を、チオール−エン逐次基重合に基づいて行う場合、シリコーン含有モノマーは、好ましくは、2つのチオール基又は式(I)−(III):




[式中、R1は水素、又はC1−C10アルキルであり;R2及びR3は、互いに独立して、水素、C1−C10アルケン二価基、C1−C10アルキル、又は−(R18)−(X1)b−R19(ここで、R18は、C1−C10アルケン二価基であり、X1は、エーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−N)、ウレア結合、エステル結合、アミド結合、又はカルボニルであり、R19は水素、単結合、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C1−C12アミノアルキル基、C1−C18アルキルアミノアルキル基、C1−C18カルボキシアルキル基、C1−C18ヒドロキシアルキル基、C1−C18アルキルアルコキシ基、C1−C12アミノアルコキシ基、C1−C18アルキルアミノアルコキシ基、C1−C18カルボキシアルコキシ基、又はC1−C18ヒドロキシアルコキシ基であり、a及びbは、互いに独立して、ゼロ又は1である)であるが、但し、R2及びR3のうちの1つのみが、二価基であり;R4−R9は、互いに独立して、水素、C1−C10アルケン二価基、C1−C10アルキル、又は−(R18)a−(X1)b−R19であり、場合により、R4及びR9は、アルケン二価基を介して結合し、環状環を形成するが、但し、少なくともR4−R9の1つは、二価基であり;n及びmは、互いに独立して、0〜9の整数であるが、但し、nとmの総数は、2〜9の整数であり、;R10−R17は、互いに独立して、水素、C1−C10アルケン二価基、C1−C10アルキル、又は−(R18)a−(X1)b−R19であり、pは、1〜3の整数であるが、但し、R10−R17の1つ又は2つのみが、二価基である]のいずれか1つにより定義される1つのエン含有基を含む。]
[0087] 任意の公知の適切なシリコーン含有マクロマーを、本発明に使用することができる。本発明によれば、マクロマーは、フリーラジカル連鎖成長重合又はチオール−エン逐次ラジカル重合に関与することができる1つ以上のエチレン性不飽和基及び/又は少なくとも2つのチオール基を含む。好ましくは、シリコーン含有マクロマーは、シロキサン含有マクロマーである。エチレン性不飽和基(単数/複数)を有する、任意の適切なシロキサン含有マクロマーを使用して、シリコーンヒドロゲル材料を製造することができる。特に好ましいシロキサン含有マクロマーは、参照により全文が本明細書に組み込まれる米国特許第5,760,100号に記載のマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC、及びマクロマーDからなる群より選択される。2つ以上の重合性基(ビニル基)を有するマクロマーは、架橋基としても機能することができる。ポリジメチルシロキサン及びポリアキレンオキシドからなるジ−及びトリブロックマクロマーも有用である。このようなマクロマーは、アクリラート、メタクリラート又はビニル基で単官能化又は二官能化されているものである場合がある。例えば、メタクリラートでエンドキャップしたポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン−ブロック−ポリエチレンオキシドを用いて、酸素透過性を高めることもできよう。]
[0088] 重合性分散体の重合を、チオール−エン逐次ラジカル重合に基づいて行う場合、シリコーン含有マクロマーは、好ましくは、少なくとも2つのチオール基又は、上記の式(I)−(III)のいずれか1つによって定義される1つ以上のエン含有基を含む。]
[0089] 本発明によれば、プレポリマーは、フリーラジカル連鎖成長重合又はチオール−エン逐次ラジカル重合に関与することができる1つ以上のエチレン性不飽和基及び/又は少なくとも2つのチオール基を含む。シリコーン含有プレポリマーの例は、非限定的に、参照によりそれらの全文が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2001−0037001A1号、米国特許第6,039,913号、及び2006年12月13日出願の同時係属米国特許出願シリアル番号第60/869,812号(発明の名称「光誘起逐次重合に基づく眼用デバイスの製造」)に開示されているものを含む。好ましくは、本発明で使用するプレポリマーは、それ自体公知の方法、例えば、有機溶媒、例えば、アセトンによる沈殿、ろ過及び洗浄、適切な溶媒中での抽出、透析または限外ろ過(限外ろ過が特に好適である)で、事前に精製される。この精製プロセスにより、プレポリマーは、極めて純粋な形態、例えば、反応生成物(例えば塩)及び出発原料(例えば非ポリマー構成要素)を含まないか、又は少なくとも実質的に含まない濃縮水溶液の形態で得ることができる。本発明によるプロセスに使用するプレポリマーの好適な精製プロセスである限外ろ過は、それ自体公知の方法で実施することができる。限外ろ過は、繰り返し(例えば2〜10回)実施することができる。あるいは、限外ろ過は、選択した純度が達成されるまで、連続して実施することができる。選択純度は、原理上、所望するだけ高くすることができる。純度の適切な尺度は、例えば、副産物として得られる溶解した塩の濃度であり、これは、公知の方法で容易に測定可能である。]
[0090] 重合性分散体の重合を、チオール−エン逐次ラジカル重合に基づいて行う場合、シリコーン含有プレポリマーは、好ましくは、少なくとも2つのチオール基又は、上記の式(I)−(III)のいずれか1つによって定義される1つ以上のエン含有基を含む。]
[0091] 本発明によれば、重合性流体組成物は、親水性のモノマーも含むことができる。本発明の流体組成物においては、可塑剤として作用することができる親水性モノマーのほぼすべてが使用可能である。好ましい親水性のビニルモノマーには、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリラート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、グリセリンメタクリラート、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、アクリル酸、メタクリル酸、及びN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)が含まれる。]
[0092] 重合性流体組成物は、疎水性のモノマーも含むことができる。一定量の疎水性モノマーを重合性流体組成物中に組み込むことにより、得られるポリマーの機械的性質(例えば弾性係数)が改善される。]
[0093] 好ましい実施態様において、眼用デバイスの製造に適切な重合性流体組成物は、(a)シロキサン含有マクロマー約20〜40重量パーセント、(b)シロキサン含有モノマー約5〜30重量パーセント、及び(c)親水性モノマー約10〜35重量パーセントを含む。より好ましくは、シロキサン含有モノマーは、TRISである。]
[0094] 本発明によれば、重合性流体組成物は、さらに、当業者に公知の様々な成分、例えば、架橋剤、連鎖移動剤、開始剤、UV吸収剤、阻害剤、充填剤、視認性のためのティント剤(例えば、染料、顔料、又はそれらの混合物)、抗菌剤(例えば、Agナノ粒子)、潤滑剤/湿潤剤(例えば、上記のもの)等を含むことができる。]
[0095] 好適な実施態様において、本発明の方法は、水和したレンズをレンズパッケージ中のパッケージ溶液に入れる工程をさらに含み、パッケージ溶液は、(a)銀イオン、銀ナノ粒子、もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む。]
[0096] レンズパッケージ(又は容器)は、ソフトコンタクトレンズのオートクレーブ及び保存用として当業者に周知である。任意のレンズパッケージを本発明に使用することができる。好ましくは、レンズパッケージは、基材及びカバーを含むブリスターパッケージであり、カバーは、取り外し可能に基材に密閉されており、基材は、無菌パッケージ溶液及びコンタクトレンズを収容するための空洞を含む。]
[0097] 本発明によれば、パッケージ溶液は、眼に適合するが、これは、溶液で処理したコンタクトレンズが、すすぎ洗いをせずに眼に直接入れるのに、通常適しており安全であること、すなわち、溶液が、溶液で湿潤したコンタクトレンズを介して目に接触するのに安全で快適であることを意味している。本発明のパッケージ溶液は、コンタクトレンズの保存に使用される任意の水性の溶液であってよい。本発明のパッケージ溶液は、生理食塩溶液、緩衝液、及び脱イオン水であることができる。好ましい水溶液は、上記の成分を含有する生理食塩溶液である。]
[0098] レンズは、個々のパッケージにパッケージされ、密閉され、及び殺菌(例えば、オートクレーブにより)されてから、使用者に分配される。当業者には、レンズパッケージの密閉及び殺菌の方法がよく理解されるであろう。]
[0099] 本発明は、もう1つの態様において、ヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法を提供するが、本発明の方法は、レンズ形成配合物を重合し、ヒドロゲルコンタクトレンズを形成する工程;場合により、重合していないレンズ形成配合物中の重合性成分を有機溶媒を用いて抽出する工程;場合により、重合したヒドロゲルコンタクトレンズ(抽出工程に付したもの)を、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含有する第1の水溶液と接触させて、ヒドロゲルコンタクトレンズ中に閉じ込められた有機溶媒を水と置き換える工程;及び重合したヒドロゲルコンタクトレンズを、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含有する第2の水溶液中で水和する工程を含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤が、抽出工程及び及び/又は水和工程の間に、ヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着及び/又はレンズ中に閉じ込められる方法である。]
[0100] コンタクトレンズ製造用のレンズ型は、当業者に周知であり、例えば、キャスト成形又はスピンキャスティングに使用される。例えば、型(キャスト成形用)は、通常、少なくとも2つの型セクション(又は部分)又は型半、すなわち、第1及び第2の型半を含む。第1の型半は、第1の成形(又は、光学)面を画定し、第2の型半は、第2の成形(又は、光学)面を画定する。第1及び第2の型半は、レンズ形成キャビティが、第1の成形面及び第2の成形面の間に形成されるように互いを受けて構成されている。型半の成形面は、型のキャビティ形成面であり、レンズ形成材料と直接接触する。]
[0101] コンタクトレンズをキャスト成形するための型セクションの製造方法は、概ね当業者に周知である。本発明のプロセスは、如何なる特定の型成形方法にも限定されない。実際、本発明においては、任意の型成形方法を使用することができる。第1及び第2の型半は、射出成形又は旋盤加工(lathing)のような様々な技術で形成することができる。適切な型半の成形プロセスは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,444,711号(Schad);第4,460,534号(Boehmら);第5,843,346号(Morrill);及び第5,894,002号(Bonebergerら)に開示されている。]
[0102] 当分野で型製造用として公知の材料はほぼすべて、眼用レンズ調製のための型製造用に使用することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、環状オレフィンコポリマー(例えば、Ticona GmbH of Frankfurt, Germany 及びSummit, New JerseyのTopas(登録商標)COC;Zeon ChemicalsLP, Louisville, KY のZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標))のようなポリマー材料等を使用することができる。石英ガラス及びサファイアのような紫外線を透過させる他の材料を使用することができる。]
[0103] 好ましい実施態様において、流体分散体中の重合性成分が、本質的にプレポリマーからなる場合、再使用可能な型を使用することができる。石英又はガラス製の再使用可能な型の例は、全文が参照により組み込まれる米国特許第6,627,124号に開示されている。この態様においては、流体分散体が2つの型半からなる型に注がれるが、2つの型半は、互いに接触せず、それらの間に配された環状構造の細い隙間を有する。隙間は、型キャビティに繋がっているので、過剰のプレポリマー組成物は、隙間に流れ込むことができる。1回のみ使用可能なポリプロピレン型の代わりに、再使用可能な石英、ガラス、サファイア型を使用することができる。レンズの製造後に、これらの型は、水又は適切な溶媒を用いて、素早く洗浄し、効果的に未反応材料及び他の残留物を取り除くことができ、そして風乾燥させることができるためである。再使用可能な型は、また、例えば、Ticona GmbH of Frankfurt, Germany 及びSummit, New JerseyのTopas(登録商標)COC grade 8007-S10(エチレン及びノルボルネンの清澄な非晶質コポリマー)、Zeon ChemicalsLP, Louisville, KYのZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標)のような、環状オレフィンコポリマーからなることもできる。型半が再使用可能であるため、極めて高い精度及び再現性を有する型を得るために、その製造時において、比較的高い費用を支出することができる。型半は、レンズが製造される領域、すなわちキャビティ又は実際の型面において互いに接触しないので、接触による損傷がない。これが、型の高い耐用性を保証し、それが、特に、製造されるコンタクトレンズの高い再現性及びレンズ設計の高い正確さをも保証する。]
[0104] 分散体が型に分配されると、それが重合され、コンタクトレンズが製造される。架橋及び/又は重合は、UV照射、電離放射(例えば、ガンマ又はX線照射)のような化学線照射によって、型の中で開始することができる。本発明のプレポリマーが、液体組成物中の重合性成分である場合、液体組成物を含有する型を、空間的に制限された化学線照射に暴露し、プレポリマーを架橋することができる。]
[0105] 水和溶液、水和方法、Agナノ粒子及びその調製方法、Agナノ粒子の塩化物処理、潤滑剤/湿潤剤、レンズ形成材料、パッケージ、密閉及び殺菌その他の、上述の様々な実施態様及び好ましい実施態様を、本発明のこの態様で使用することができる。]
[0106] 本発明は、さらなる局面において、ヒドロゲルコンタクトレンズを提供する。本発明のコンタクトレンズは、(1)コアヒドロゲル材料及び(2)銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤を含むが、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤は、(a)銀イオン、銀ナノ粒子、もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む水和溶液中でコアヒドロゲル材料を水和することにより、コアヒドロゲル材料に吸着及び/又はコアヒドロゲル材料中に閉じ込められる。]
[0107] ヒドロゲル材料、水和溶液、水和方法、Agナノ粒子及びその調製方法、Agナノ粒子の塩化物処理、潤滑剤/湿潤剤、レンズ形成材料、パッケージ、密閉及び殺菌その他の上述の様々な実施態様及び好ましい実施態様を、本発明のこの態様で使用することができる。]
[0108] 本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、約80度以下、好ましくは約70度以下、より好ましくは約60度以下、さらに好ましくは約50度以下の平均水接触角を有することを特徴とする湿潤性の表面を有する。]
[0109] 本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも40barrer、好ましくは少なくとも約50barrer、より好ましくは少なくとも約65barrer、さらに好ましくは少なくとも約80barrerの酸素透過性を有する。本発明によれば、酸素透過性は、実施例に記載の手順に従った見掛け(約100ミクロン厚のサンプルを用いて直接測定された)の酸素透過性である。]
[0110] 本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、さらに、約1.5MPa以下、好ましくは約1.2MPa以下、より好ましくは約1.0以下、さらに好ましくは約0.4MPa〜約1.0MPaの弾性率(elastic modulus)を有する。]
[0111] 本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、さらに、好ましくは少なくとも約1.5×10−6mm2/min、より好ましくは少なくとも約2.6×10−6mm2/min、さらに好ましくは少なくとも約6.4×10−6mm2/mのイオノフラックス拡散係数(Ionoflax Diffusion Coefficient)、Dを有する。]
[0112] 本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、さらに、十分に水和された場合、好ましくは約18重量%〜約55重量%、より好ましくは約20重量%〜約38重量%の含水量を有する。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの含水量は、米国特許第5,849,811号に開示されているBulk Techniqueに従って測定することができる。]
[0113] 本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、さらに、浸出性の湿潤剤を含む。]
[0114] 上述の開示は、当業者が、本発明を実施することを可能にするであろう。読者が、具体的な実施態様及びそれらの利点をよりよく理解するために、以下の実施例を参照することを提案する。]
[0115] 特記しない限り、全ての化学物質は、入手したままで用いた。酸素及びイオン透過性の測定は、抽出及びプラズマコーティング後のレンズで行った。]
[0116] 酸素透過性の測定
レンズの酸素透過性及びレンズ材料の酸素伝達性は、共に参照により全文が本明細書に組み込まれる米国特許第5,760,100号及び Winterton et al. の文献 (The Cornea: Transactions of the World Congress on the Cornea 111, H. D. Cavanagh Ed., Raven Press: New York 1988, pp273-280)に記載のものと同様の方法により決定される。Dk1000装置(Applied Design and Development Co., Norcross, GAから入手可)又は同様の分析機器を用いて、酸素フラックス(J)を、ウェットセル(すなわち、ガス流を約100%の相対湿度に維持)中、34℃で測定した。既知の酸素百分率(例えば、21%)を有する空気流を、レンズの片面に約10〜20cm3/minの速度で通し、一方、窒素流をレンズの反対側に約10〜20cm3/minの速度で通した。サンプルを、測定に先立ち、試験媒体(すなわち、生理食塩水又は蒸留水)中、所定の試験温度で、少なくとも30分、しかし45分を超えない時間で平衡化させた。オーバーレイヤーとして用いる任意の試験媒体を、測定に先立ち、所定の試験温度で、少なくとも30分、しかし45分を超えない時間で平衡化させた。攪拌モーター速度は1200±50rpmに設定し、ステッピングモーターコントローラで表示された設定400±15に対応させた。系を囲む大気圧Pmeasuredを測定した。試験用に暴露された領域のレンズの厚さ(t)は、MitotoyaマイクロメータVL−50又は同様の機器で約10箇所測定し、測定値を平均することにより決定した。窒素流中の酸素濃度(すなわち、レンズを通って拡散する酸素)を、DK1000装置を用いて測定した。レンズ材料の見掛けの酸素透過度Dkappを、次の式から求めた。
Dkapp=Jt/(Poxygen)
(式中、J=酸素フラックス[マイクロリットルO2/cm2−分]
Poxygen=(Pmeasured−Pwater蒸気)=(空気流中の%O2)[mmHg]=空気流中の酸素分圧
Pmeasured=大気圧(mmHg)
Pwater蒸気=34℃で0mmHg(ドライセル中)(mmHg)
Pwater蒸気=34℃で40mmHg(ウェットセル中)(mmHg)
t=試験を受けた範囲のレンズの平均厚さ(mm)
ここでDkappは、barrer単位で表される)]
[0117] 材料の酸素伝達率(Dk/t)は、酸素透過度(Dkapp)をレンズの平均厚さ(t)で割ることにより計算することができる。]
[0118] イオン透過率の測定
レンズのイオン透過率は、(全文が参照により本明細書に組み込まれる)米国特許第5,760,100号に記載されている手順に従って測定した。次の実施例で報告されるイオン透過率の値は、基準材料としてのレンズ材料、Alsaconに関する相対イオノフラックス拡散係数(D/Dref)である。Alsaconのイオノフラックス拡散係数は、0.314×10-3mm2/分である。]
[0119] 表面親水性(湿潤性)試験
コンタクトレンズ上の水接触角は、コンタクトレンズの表面親水性(又は湿潤性)の一般的な測定値である。特に、低い水接触角は、より親水性の高い表面に相当する。コンタクトレンズの平均接触角(Sessile Drop)は、AST, Inc., located in Boston, MassachusettsのVCA 2500 XE接触角測定装置で測定する。この装置は、前進接触角又は後退接触角又はsessile(静的)接触角を測定することができる。測定は、十分に水和したコンタクトレンズ上でブロットドライ後、直ちに行った。]
[0120] 抗菌活性アッセイ
本発明のレンズにおける銀ナノ粒子を有する又は有しないコンタクトレンズのPseudomonas aeruginosa GSU # 3(角膜潰瘍から単離)に対する抗菌活性をアッセイした。Pseudomonas aeruginosa GSU # 3のバクテリア細胞を凍結乾燥させた状態で保管した。バクテリアは、Tryptic Soy agar slant上で、37℃で18時間増殖させた。細胞を遠心分離により収集し、無菌のDelbecoリン酸緩衝食塩水で2回洗浄した。バクテリア細胞をPBSに懸濁させ、108cfuの光学濃度に調整した。細胞懸濁液を、103cfu/mlまで順次希釈した。]
[0121] 銀をその中に有するレンズを、対照レンズ(例えば、銀を含まないレンズ)と比較して再度試験した。約5×103〜1×104cfu/mlのPseudomonas aeruginosa GSU #3 200μlを、各レンズ表面に置いた。25℃で24時間インキュベートした。レンズから50μlを吸引し、順次希釈し、寒天板にプレートアウトし、各レンズの微生物負荷を測定した。24時間後、コロニー数を数えた。]
[0122] マクロマーの合成
平均分子量1030g/molを有し、末端基滴定によるヒドロキシル基1.96meq/gを含有するペルフルオロポリエーテルFomblin(登録商標)ZDOL(Ausimont S.p.A, Milan)51.5g(50mmol)を、ジブチルスズジラウレート50mgと一緒に三つ口フラスコに投入した。フラスコ内容物を攪拌しながら約20mbarまで排気し、続いてアルゴンで減圧を解除した。この操作を2度行った。続いて、アルゴン下で保った、蒸留したてのイソホロンジイソシアナート22.2g(0.1mol)を、アルゴン向流中で加えた。水浴で冷却することにより、フラスコ内の温度を30℃未満に維持した。室温で一晩攪拌後、反応は完結した。イソシアナート滴定により、NCO含量1.40meq/g(理論値:1.35meq/g)を得た。]
[0123] α,ω−ヒドロキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンKF−6001(Shin-Etsu製、平均分子量2000g/mol、滴定によるヒドロキシル基1.00meq/g)202gを、フラスコに入れた。フラスコ内容物を約0.1mbarまで排気し、アルゴンで減圧を解除した。この操作を2回繰り返した。脱ガスしたシロキサンをアルゴン下で保った、蒸留したてのトルエン202mlに溶解し、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)100mgを加えた。溶液を完全にホモジナイズした後、イソホロンジイソシアネート(IPDI)と反応させたペルフルオロポリエーテルの全てをアルゴン下で加えた。室温で一晩攪拌した後に、反応は完結した。溶剤を、高真空下、室温で除去した。ミクロ滴定は、ヒドロキシル基0.36meq/g(理論値0.37meq/g)を示した。]
[0124] 2−イソシアネートエチルメタクリレート(IEM)13.78g(88.9mmol)を、アルゴン下、α,σ−ヒドロキシプロピル末端ポリシロキサン−ペルフルオロポリエーテル−ポリシロキサン3ブロックコポリマー(化学量論平均で3−ブロックコポリマーであるが、他のブロック長も存在する)247gに加えた。混合物を室温で3日間攪拌した。その結果、ミクロ滴定では、もはやイソシアナト基を全く示さなかった(検出限界0.01meq/g)。メタクリル基0.34meq/gが検出された(理論値0.34meq/g)。]
[0125] このようにして製造したマクロマーは、完全に無色透明であった。これは、空気中、室温で、数ヶ月間、遮光して、分子量の変化なしで、保管することができる。]
[0126] 安定化銀ナノ粒子溶液の調製
安定化銀ナノ粒子溶液を水性安定剤(例えば、ポリアクリル酸(PAA)、又はポリエチレンイミン(PEI)、又はポリビニルピロリドン(PVP)等)及び硝酸銀溶液を混合することにより調製した。次に、この安定剤と硝酸銀との混合物溶液を、還元剤を含有する溶液に徐々に加えた。還元剤の例には、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)又はアスコルビン酸(ビタミンC、VCとしても知られている)がある。様々な銀濃度及びpHの溶液を調製することができる。例えば、銀濃度は、0.1mM〜100mMに調製することができ;pHは、1.0〜10.0に調製することができる。安定剤と銀とのモル比も、0.5/1〜10/1に変化させることができる。銀と還元剤との比も、調整することができ、例えば、4/1〜1/10に変化させることができる。PAA、PEI又はPVPに対して異なる分子量を使用することができる。]
[0127] 一例として、PAAで安定化させた銀ナノ粒子溶液を、次のように調製した:水素化ホウ素ナトリウム(J.T. BakerのNaBH4、98%、)0.759gを量り、超純水(UPW)1Lに加えた。溶液を磁気攪拌棒を用いて30分間撹拌した。ポリアクリル酸(Polysciences, IncのPAA、Mw90k、25%水溶液)1.152gを量り、超純水(UPW)20mlに混合した。硝酸銀(AldrichのAgNO3、99.995%)0.34gを量り、超純水40mlに混合した。AgNO3溶液40mlをPAA溶液20mlに注ぎ、溶液を最小限15分間混合させた。NaBH4溶液1リットルからNaBH4溶液60mlを取り除いてから、PAA−AgNO3混合物溶液を加えた。PAA−AgNO3混合物溶液を徐々にNaBH4溶液に滴下した。溶液の色が、銀ナノ粒子の形成により、透明から黄色に変化することが観察された。これにより、NaBH4を還元剤として用いた、PAAで安定化された銀ナノ粒子溶液ができた。この溶液を、PAA−AgNP(NaBH4)溶液と呼ぶ。硝酸を用いてpHを所望のpH(例えば1.5又は2.0)に調節した。使用に先立ち、溶液をろ過した。この実施例においては、最終的な銀濃度は、2mMであった。アクリル酸(PAAの繰返し単位)の分子量に基づいて計算された最終的なPAA濃度は、4mMであった。溶液を次にPAA−AgNP(4mM−2mM)(NaBH4)又はPAA−AgNP−NaBH4溶液として同定した。]
[0128] 同様に、VCを還元剤として用い、PAA安定化銀ナノ粒子溶液を調製することができる。この溶液を、PAA−AgNP(VC)又はPAA−AgNP−VC溶液と呼ぶ。さらなる例として、NaBH4又はVCを還元剤として用いたPEI安定化銀ナノ粒子溶液を調製することができ、これをPEI−AgNP(NaBH4)又はPEI−AgNP(VC)溶液と呼ぶ。]
[0129] PAA−AgNP−NaBH4溶液での乾燥したNight & Day(商標)(CIBA Vision)(ND)レンズの水和
乾燥したNDレンズをプラズマコーティング後に直接使用した。あるいは、乾燥したNDレンズは、完成品のレンズを市販のポリプロピレンパッケージから取り出し、新鮮なUPWで20分間ずつ3回(全1時間)平衡化させ、次に真空オーブン(通常40℃で少なくとも2時間)で乾燥させて得ることができる。乾燥したレンズをPAA安定化銀ナノ粒子(PAA−AgNP、0.4mM−0.2mM−溶液)に所望の時間(例えば、1時間)浸漬することにより水和した。次に、レンズを新鮮なUPWで3分間ずつ3回すすいだ。レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。]
[0130] PAA−AgNP溶液での乾燥したNight & Day(商標)(CIBA Vision)(ND)レンズの水和
実施例3に記載の乾燥したNDレンズを、PAA安定化銀ナノ粒子(PAA−AgNP−NaBH4、0.25mM−0.5mM−0.25mM、pH2.0)溶液に一定の時間(例えば1時間)浸漬することにより水和した。次に、レンズを水中で約30秒間すすいだ。本実施例では、Ag対NaBH4が、2対1であったため、銀イオンのすべてがNaBH4で還元されたわけではないことに注意されたい。したがって、レンズを10mMVC溶液中に再度浸漬し、銀イオンをさらに銀ナノ粒子に還元した。水ですすいだ(3分間ずつ3回)後、レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。]
[0131] レンズの抗菌活性を、実施例1に記載のアッセイごとに評価した。バクテリアは回収されなかった。換言すれば、このレンズは、試験条件下で、ほぼ〜100%のバクテリアの削減を示した。]
[0132] PAA−AgNP−VC溶液でのNight & Day(商標)(CIBA Vision)(ND)レンズの水和
実施例3に記載の乾燥したNDレンズを、PAA安定化銀ナノ粒子(PAA−AgNP−VC、0.8mM−0.2mM−0.1mM)溶液に一定の時間(例えば1時間)浸漬することにより水和した。次に、レンズを水中で約30秒すすいだ。本実施例では、銀イオン対VCが、2対1であったため、銀イオンのすべてがVCで還元されたわけではないことに注意されたい。したがって、レンズを、10mMVC溶液中に再度浸漬し、銀イオンをさらに銀ナノ粒子に還元した。水ですすいだ(3分間ずつ3回)後、レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。]
[0133] レンズの抗菌活性を、実施例1に記載のアッセイごとに評価した。バクテリアは回収されなかった。換言すれば、このレンズは、試験条件下で、ほぼ〜100%のバクテリアの削減を示した。]
[0134] PAA−AgNO3溶液での乾燥したNight & Day(商標)(CIBA Vision)(ND)レンズの水和
実施例3に記載の乾燥したNDレンズを、PAA−AgNO3混合物溶液(PAA−AgNO3、5mM−5mM、pH2.5)溶液に一定の時間(例えば1時間)浸漬することにより水和した。次に、レンズを水中で約30秒間すすいだ。レンズを次に再度10mMVC溶液に浸漬し、銀イオンを銀ナノ粒子に還元した。水ですすいだ(3分間ずつ3回)後、レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。]
[0135] レンズの抗菌活性を、実施例1に記載のアッセイごとに評価した。バクテリアは回収されなかった。換言すれば、このレンズは、試験条件下で、ほぼ〜100%のバクテリアの削減を示した。]
[0136] 複数の銀ナノ粒子溶液での乾燥したNight & Day(商標)(CIBA Vision)(ND)レンズの水和
実施例3記載の乾燥したNDレンズを下記の異なるアプローチによる複数の銀ナノ粒子溶液中で水和した:
(1)レンズをまず、PAA−AgNP−NaBH4(0.4mM−0.2mM−2mM、pH2.0)溶液で1時間水和し、その後水ですすぐ工程、次にPEI−AgNP−VC(0.4mM−0.2mM−0.1mM pH4.2)溶液に10分間浸漬する工程、その後の水でのすすぎ、次に再度PAA−AgNP−NaBH4(0.4mM−0.2mM−2mM、pH2.0)溶液に10分間浸漬する工程に付した。水ですすいだ後、レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。
(2)レンズをまず、PAA−AgNP−NaBH4(0.4mM−0.2mM−2mM、pH2.0)溶液で1時間水和し、その後水ですすぐ工程、次にPEI−AgNP−VC(0.4mM−0.2mM−0.1mM pH4.2)溶液に10分間浸漬する工程、その後の水でのすすぎ、次に再度PAA−AgNP−NaBH4(0.4mM−0.2mM−2mM、pH2.0)溶液に10分間浸漬する工程、その後の水でのすすぎ、次にPEI−AgNP−VC(0.4mM−0.2mM−0.1mM。pH4.2)溶液に10分間浸漬する工程、その後の水でのすすぎ、次に再度PAA−AgNP−NaBH4(0.4mM−0.2mM−2mM、pH2.0)溶液に10分間浸漬する工程に付した。水ですすいだ後、レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。
(3)レンズをまず、PAA−AgNO3(5mM−5mM、pH2.0)溶液で1時間水和し、その後水ですすぐ工程に付し、次にPVP−AgNP−NaBH4(0.15mM−0.1mM−0.2mM。pH2.5)溶液に10分間浸漬した。本実施例で使用したPVPの分子量は、55000であった。水ですすいだ後、レンズを再びPAA−AgNP−NaBH4(1mM−1mM−2mM、pH2.0)溶液に10分間浸漬した。水ですすいだ後、レンズをPBS中にパッケージし、オートクレーブした。]
[0137] これらの水和アプローチによるレンズの抗菌活性を、実施例1に記載のアッセイごとに評価した。バクテリアは回収されなかった。換言すれば、これらのレンズは、試験条件下で、ほぼ〜100%のバクテリアの削減を示した。]
[0138] 湿潤NDレンズの水和(1浸漬コーティング)。
市販のポリプロピレンパッケージから直接得たNDレンズを使用した。まず、レンズを新鮮なUPWで20分間ずつ3回(全1時間)平衡化させた。次に湿潤したレンズをPAA安定化銀ナノ粒子(PAA−AgNP、0.4mM−0.2mM、又は4mM−2mM)溶液に一定の時間(例えば1時間)浸漬した。次にレンズを新鮮なUPWで3分間ずつ3回すすいだ。レンズをPBS2mlを含むガラス状バイアルにパッケージし、オートクレーブした。]
权利要求:

請求項1
乾燥したヒドロゲルコンタクトレンズを、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む水和溶液中で水和する工程を含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤が、乾燥ヒドロゲルコンタクトレンズが水和溶液中で水和される間に、ヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着及び/又はレンズ中に閉じ込められる、ヒドロゲルコンタクトレンズに1つ以上の所望の特性を付与する方法。
請求項2
水和溶液が銀ナノ粒子を含み、銀ナノ粒子が1つ以上の安定剤の存在下で調製される、請求項1記載の方法。
請求項3
1つ以上の安定剤が、ポリアニオン材料、ポリカチオン材料、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項2記載の方法。
請求項4
水和溶液が、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、アルキル化ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミドと1つ以上の親水性のビニルモノマーとのコポリマー、メタクリルアミドと1つ以上の親水性のビニルモノマーとのコポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ2−エチルオキサゾリン、ヘパリンポリサッカライド、ポリサッカライド、及びそれらの混合物からなる群より選択される潤滑剤/湿潤剤を含む、請求項2記載の方法。
請求項5
水和溶液が、分子量60−K以上のポリビニルピロリドン少なくとも1種及び分子量60−K未満のポリビニルピロリドン少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。
請求項6
水和溶液が、ポリビニルピロリドン少なくとも1種及び、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。
請求項7
水和溶液が、ポリビニルピロリドン少なくとも1種及びアルキル化ポリビニルピロリドン少なくとも1種を含む、請求項1記載の方法。
請求項8
乾燥したヒドロゲルコンタクトレンズを水和する工程が、好ましくは約10℃〜約95℃の温度で行われる、請求項1記載の方法。
請求項9
水和したレンズをレンズパッケージ中のパッケージ溶液に入れる工程をさらに含み、パッケージ溶液が、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む、請求項1記載の方法。
請求項10
ヒドロゲルコンタクトレンズが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項1記載の方法。
請求項11
(1)レンズ形成配合物を重合してヒドロゲルコンタクトレンズを形成する工程;(2)場合により、重合していないレンズ形成配合物中の重合性成分を有機溶媒を用いて抽出する工程;(3)場合により、重合したヒドロゲルコンタクトレンズ(抽出工程に付したもの)を、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含有する第1の水溶液と接触させて、ヒドロゲルコンタクトレンズ中に閉じ込められた有機溶媒を水と置き換える工程;及び(4)重合したヒドロゲルコンタクトレンズを、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含有する第2の水溶液中で水和する工程を含み、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤が、抽出工程及び及び/又は水和工程の間に、ヒドロゲルコンタクトレンズ上に吸着及び/又はその中に閉じ込められる、ヒドロゲルコンタクトレンズ製造方法。
請求項12
第1及び第2の水溶液の少なくとも1つが銀ナノ粒子を含み、銀ナノ粒子が1つ以上の安定剤の存在下で調製される、請求項11記載の方法。
請求項13
1つ以上の安定剤が、ポリアニオン材料、ポリカチオン材料、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項12記載の方法。
請求項14
第1及び第2の水溶液の少なくとも1つが、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー、アルキル化ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミドと1つ以上の親水性のビニルモノマーとのコポリマー、メタクリルアミドと1つ以上の親水性のビニルモノマーとのコポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ2−エチルオキサゾリン、ヘパリンポリサッカライド、ポリサッカライド、及びそれらの混合物からなる群より選択される潤滑剤/湿潤剤を含む、請求項12記載の方法。
請求項15
第1及び第2の水溶液の少なくとも1つが、分子量60−K以上のポリビニルピロリドン少なくとも1種及び分子量60−K未満のポリビニルピロリドン少なくとも1種を含む、請求項11記載の方法。
請求項16
第1及び第2の水溶液の少なくとも1つが、ポリビニルピロリドン少なくとも1種及び、ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーとのコポリマー少なくとも1種を含む、請求項11記載の方法。
請求項17
第1及び第2の水溶液の少なくとも1つが、ポリビニルピロリドン少なくとも1種及びアルキル化ポリビニルピロリドン少なくとも1種を含む、請求項11記載の方法。
請求項18
水和工程が、好ましくは約10℃〜約95℃の温度で行われる、請求項11記載の方法。
請求項19
水和したレンズをレンズパッケージ中のパッケージ溶液に入れる工程をさらに含み、パッケージ溶液が、(a)銀イオン、銀ナノ粒子もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む、請求項11記載の方法。
請求項20
ヒドロゲルコンタクトレンズが、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである、請求項11記載の方法。
請求項21
(1)コアシリコーンヒドロゲル材料;並びに(2)銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤を含み、コアヒドロゲル材料を、(a)銀イオン、銀ナノ粒子、もしくはそれらの組み合わせ、(b)潤滑剤もしくは湿潤剤、又は(c)それらの組み合わせを含む水和溶液中で水和することにより、銀ナノ粒子及び/又は潤滑剤もしくは湿潤剤が、コアシリコーンヒドロゲル材料上に吸着及び/又はコアシリコーンヒドロゲル材料中に閉じ込められるシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
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